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2010
09.20

乙女の密告。

ゲームばっかりじゃなくてちゃんと本も読んでいるんだぞ、というコトで。

乙女の密告 赤染晶子/著:新潮社 第143回芥川賞受賞作

平成22年度上半期芥川賞受賞作であります。

京都の大学で、『アンネの日記』を教材にドイツ語を学ぶ乙女たち。日本式の努力と根性を愛するバッハマン教授のもと、スピーチコンテストに向け、「一九四四年四月九日、日曜日の夜」の暗記に励んでいる。ところがある日、教授と女学生の間に黒い噂が流れ…。(わたしは密告される。必ず密告される)

というのが紹介文ですが、とにかく登場人物の個性の強烈さに度肝を抜かれるというか、吹き出したわたしのお茶返せw

いきなり登場するバッハマン教授がまずおかしい。いや、おかしいというか怪しいw
そして友人の貴代もまともかと思えばやっぱりどこかおかしい。
敬愛する先輩の麗子様はおかしいの前に大丈夫か、という感想が出、とにかく周りが変な人ばかりなので、主人公のみか子でさえ、その凡庸さが変人に見えてくるどころか、2回しか登場しない豆腐屋さんでさえ怪しい豆腐屋に思えてくる。
登場人物の個性だけでわたしのハートはガッチリ掴まれましたw

アンネの日記をテーマとして扱っているのではなく、話作りの材料として「使っている」作品で、主人公たちが必死に暗記しているアンネの日記の文章は赤染女史が原書から自身にて翻訳した文章なんだそうな。そ~言えばわたしアンネの日記って読んだことなかったなあ。

ストーリィに重厚さはありませんが、言葉=自分自身というテーマを掘り下げている作品とわたしは感じました。しっかり真面目な話なんですが、とにかくバッハマン教授がすごすぎて…
最後の締めは文芸作品らしく真面目に書き上げています。あのキャラクターをこうもしっかりとまとめ上げる作者の技量が素晴らしいです。

月刊誌である文藝春秋の9月特別号に全文掲載されております。初出は月刊新潮6月号。わたしも実は最初に雑誌掲載を読みました。その後単行本を買いまして、今、読み返しているところです。
新聞書評にも随分と取り上げられた作品ですが、小難しい純文学というよりはもうちょっとノリの軽めな日本女性文学という位置づけだと思いますので、「芥川賞受賞作」というお硬そうな冠は意識せずとも良いかと思います。

で、お話の舞台は京都にある外国語大学のドイツ語学科なのですが、作者の赤染女史自身が京都外国語大学の出身なので、もしかしてバッハマン教授みたいな方が実際にいたのだろうか…とか思ってしまいます。
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